令和2年10月17日おおさか建築祭にて、弊社所長の徳岡がモデレーターを務め講演を行いました。

建通新聞 2020.10.20

大阪府建築士会 「おおさか建築祭2020」を開催

建築士として社会の課題と対峙しながら解決に向けて一歩踏み出す―。コロナ禍とはいえ、建築界の活動が制限されたままでいいのか。大阪府建築士会は「直面する社会課題にどう取り組むかを示すことも建築士の責務」(岡本森廣会長)という強い意思の下、10月17日に「おおさか建築祭2020~過去から未来へ~大阪の強みを活かした価値の共創」を大阪市内の会場で開催、合わせて全プログラムをウェブ配信し、全国の建築士会会員らにも広域発信。 コロナ禍における新たな建築士会活動を示した。

コロナ禍の新たな建築士会活動示す

当日は、三つのシンポジウム、対談で構成。大阪府建築士会など在阪建築4団体がまとめた「ARCHI4 KANSAIまちづくり提言書」を基にした「山から都市へ、海から世界へ新しい価値の共創」をテーマにしたシンポジウムでは、関西 の「人」と「場」の力を 明らかにしながら、建築でも「違った価値を持つ人との対話がイノベーションを起こし、新しい価値を生み出す」という意識を共有した。

建築家の藤本壮介氏と平沼孝啓氏の対談では、人と人のつながりをキーワードに若い世代の生かし方を議論。藤本氏が「公共建築におけるコンペに未経験の若い世代への門戸を広げてほしい」と訴えると、平沼氏は「実績、経験、技術力は必要だが、(選ばれる基準は)件数や規模ではないだろう。新たな価値観で新たな豊かさを目指していくという潔さが求められるのではないか」と提言。「上の世代は若手にとっての最高のスタッフに」(平沼氏)、「新しいアイデアが生まれる土壌を作りたい」(藤本氏)といった意見も出た。

建築士として課題解決に踏み出す

医療福祉・建築連携シンポジウムでは、建築士として「医療福祉・建築連携による健康、省エネ住宅に取り組み地域住民の健康を支えていく」こどを新たな課題として設定し意見交換が進んだ。おおさか建築祭は①直するコロナ禍や医療福祉連携などに真摯(しんし) にいかに取り組むか②建築の未来共創、万博を視野にしたまちづくりシンポジウム③ICT活用の新たな事業展開の試行・モデル実証が開催の趣旨。2025年に大阪で開催予定の建築士会全国大会、さらには同年の大阪・関西万博に向けてのプレイベントと位置付けた。2年後の22年に迎える大阪府建築士会70周年にもつながる一連の流れもある。

大阪・関西で開かれるビッグイベントに建築士としてどう関わっていくか、コロナ禍におけるまちづくり・都市づくり、建築と医療の連携といった今直面する社会課題といかに対峙しながら解決していくか、いつまでも立ち止まっていてはいられない。岡本会長は「リアルとオンラインで取り組む士会活動の社会実験となる良い機会と捉え、さらに今後どう行動を展開していくか考えたい」と広く呼び掛ける。

対談などの会場はウェブで広域発信した

建設通信新聞 2020.10.20

大阪士会 おおさか建築祭2020

医療・福祉の連携考察

パネルディスカッションも開いた

大阪府建築士会(岡本森廣会長)は17日、大阪市の大阪工業大学梅田キャンパスOIT梅田タワー常翔ホールで「おおさか建築祭2020過去から未来へー大阪の強みを活かした価値の共創」を開いた。会場には約150人が来場、オンライン配信でも約100人が視聴し、シンポジウムを通じてアフターコロナを見据えた建築と医療・福祉の連携や大阪・関西万博、大阪・関西の将来のまちづくりついて考察した。

冒頭、岡本会長は「新型コロナウイルスや高齢化社会にあって建築と医療の連携は欠かせない。25年の万博に向けたまちづくりについても取り上げるが、その年は日本建築士会連合会の全国大会を大阪で開くことになっている。きょうはそのプレイべントでもあるし、リアルとオンラインを合わせた社会実験でもある。今後も社会の課題に対峙し解決に向けて一歩踏み出していきたい」とあいさつした。

医療福祉・建築連携シンポジウム「医療福祉・建築連携による適切な在宅医療環境の普及に向けて-WITH コロナの生活機式と住環境」では、伊香賀俊治慶応義塾大教授が医療と建築の連携の必要性と仕組みについて、モデル実証事例の紹介を交えて講演したほか、上原裕之に省エネ住宅を推進する国民会議理事長、近本智行立命館大教授、山田秀和近畿大敎授、宮園雅哉大阪府健康医療部保健医療室感染症対策課副理事がパネリストを務めてディスカッションした。

伊香賀教授は「冬の死困の6割が脳卒中や心筋梗塞、肺炎であり、断熱住宅の普及が死亡リスクを下けることにつながる」と建築と健康の関連性を解説。

「寒冷地では普及が進んでいるが、大阪など都市圏では世界基準にほど遠い。低温な住宅は循環器や呼吸器系の疾患思者を増やし、新型コロナによる重症化リスクも高める」とし、ウィズコロナ・高齢化社会の住宅のあり方について説いた。

パネルディスカッションでは、山田教授が医師の立場から「われわれは幸福を求めて生きている。建築のテザインももちろん大事で、それによって幸福感も味わうだろうが、健康のため、幸福のための建築づくりを心掛けていただきたい」と述べた。

伊香賀教授も「大学における建築の教育から断熱という観点が抜け落ちているのには問題がある」と指摘。近本教授は「住空間を均一に扱うのではなく、ウイルスを持ち込むリスクが高い玄関口の換気能力を高めるなど、メリハリの利いた対策が考えられる」、宮園副理事は「感染者を目宅内で確実に隔離できる性能が今後求められる」と提案し、モデレーターを務めた徳岡浩二大阪士会常任理事は「健康医療関係者だけでなく建築士であるわれわれにも関係すること。自分のことと認識してウエルネスなまちづくりに取り組んでいこう」と呼びかけた。

建築祭ではこのほか、寺地洋之大阪工大教授、杉野卓更安井建築設計事務所大阪事務所都市デザイン部部長兼国際部部長、三宗知之東畑建築事務所設計室副室長、荒木公樹空閻計画代表、永井務竹中工務店大阪本店設計部設計第4部門設計Ⅰグループ長がバネリストを務めたまちづくり提言書シンポジウム「山から都市へ、海から世界へ新しい価値の共創」、大阪・関西万博の会場デザインプロデューサーを務める本壮介氏と建築家の平沼孝啓氏による対談「建築の未来共創-元気な次世代からの発信」も開いた。

大阪建設工業新聞 2020.10.21

大阪の新たな価値創造へ
イノベーションの最前線

Web併用し「おおさか建築祭2020」

まちづくり提言書シンボでは大学と連携した良県川上村での実践例㊦も詳しく紹介された。

(公社)大阪府建築土会(岡本森廣会長)は十七日、大阪市北区茶屋町の大阪工業大学梅田キャンパスで「おおさか建築祭2020『過去から未来へ~大阪の強みを活かした価値の共創』」を開催し、多くの来場者で賑わった。

冒頭、岡本会長が挨拶で「本日は近畿二府四県の会長、副会長が揃いました。新型コロナウイルス禍の中、専門家集団としてどう向き合い、社会に員献するかを考え、そして課題に対応するのが我々の使命。本日はそれらへ向けて一歩踏み出す場としていく所存です」と述べ意欲を示した。

まず午前の部は、まちづくり提言書シンポジウム「山から都市へ、海から世界へ新しい価値の共創」およひ対談形式にる「建築の未来共創~元気な次世代からの発信」を、そして午後からは、医療福祉・建築連携シンポジウム「医療福祉・建築連携による適切な在宅医療環境の普及に向けて ~WITH コロナの生活様式と住環境~」が行われ、いずれも大手ゼネコンや設計会社、大学の第線で活躍する面々が日頃の研究・実践の成果を披露した。

同事業は、二〇二五年の建築士会全国大会「大阪大会」のプレイベントの一環として位置付けられ、同年開催の大阪。関西万博の一層の高揚を図るべく行われたもの。コロナ禍の状況を見据えて、会場参加型と全プログラムにライプによるWeb配信を併用し、大阪はもとより近畿建築士会の後援のもと、全国の建築士会員等に広く発信し、新たな事業形態の普及に繋けるもの。この日四十九社の協賛企業による動画や製品等の展示も行われた。

建設工業新聞 2020.10.21

まちづくり

万博見据え提言

大阪府建築士会が建築祭
医療福祉との連携で議論

大阪府建築士会(岡本森廣会長)は日、2025年日本国際博覧会(大阪関西万博)を見据えたまちづくり提言や、建築の未来、医療福祉と建築の連携について意見交換する「おおさか建築祭2020」、を大阪市北区の大阪工業大学梅田キャンパスで開いた。テーマは「過去から未来へ~大阪の強みを活かした価値の共創」。会場に150人が駆けつけた。新型コロナウイルス感染症拡大を防ぐため当日の模様をウェプ配信したところ100人が視聴。参加者はパネリストの発言をメモするなどしていた。

冒頭、岡本会長が「かって経験したことのないコロナ禍の時代に、私たち専門家集団がこれにどう向き合い、どう貢献するかが問われている。この建築祭はリアルとオンラインで参加できる。今後の事業や研修を占う機会となる。協力会員49社と協働して士会活動の在り方も探ることにもなる。課題解決に向けともに一歩を踏み出そう」とあいさつした。

続いて士会と大阪府建築士事務所協会、日本建築家協会近畿支部、日本建築協会が19年に取りまとめたまちづくり提一言書に関するシンポジウム「山から都市へ、海から世界へ新しい価値の共創」を開催。パネリストは提言作成に関わった寺地洋之大阪工業大学教授と杉野卓史安井建築設計事務所大阪事務所都市デザイン部部長兼国際部部長、三宗知之東畑建築事務所設計室副室長、荒木公樹空間計画代表取締役、永井務竹中務店大阪本店設計部設計第4部門第一グループ長。中嶋節子士会副会長が進行した。

各氏は、間伐材を通じた学生教育や地域木材を活用した庁舎プロジェクト、地域産材を生かし学生とともに取り組む集落再生事業、コロナ禍前後の海外プロジェクトを進める上でのコミュニケーションの変化、人と場という関西の強みを生かした建築事例などを報告。「イノベーションを重ねることで新しい価値を創造できる」などの意見が出た。

大阪・関西万博の会場デザインプロデューサーで建築家の藤本壮介氏と建築家・平沼孝啓氏、両氏が役員を務めるNPO法人アートアンドアーキテクトフェスタ(AAF)の学生スタッフは「建築の未来共創~元気な次世代からの発信」について意見交換。徳岡浩二士会常任理事が進行役を務めた。

パリに事務所を置く藤本氏は「パリの若手は最初、設計事務所に勤め30歳くらいで大きめの建築のコンぺに、デベロッパーと組んでチャレンジできる機会はある。でもで開催している35歳以下の若手建築家による建築展覧会(U-35)のように自由に建築の在り方を問う機会は少ないようだ。そういう意味では日本は恵まれている。U-35が続いていることは素晴らしいと思う」と述べた。ニューヨークでも活動する平沼氏は「ニューヨークは正しさは一つではなく、多様性が存在する街。各個人が社会的な活動を担うことで街を支えている。お互いに認め合う、教え合うことが普通に行われており、そこはいいと思う」と評した。

藤本氏は大阪・関西での仕事を通じて「個人と個人の関係で社会的な動きが生じる。ダイレクトにつながる感じがいい。これからの社会はそうあるべきではないか。共同体が面白くなる社会像を先導するポテンシャルも大阪・関西万博も含めてそこから生まれると思う」と語った。

医療福祉・建築連携シンポジウム「医療福祉。建築連携による適切な在宅医療環境の普及に向けて WITH コロナの生活様式と住環境」では、最初に伊香賀俊治慶応義塾大学教授が医療建築連携の必要性と仕組みのモデル実証事例を解説。「世界保健機関(WHO))は、冬季室温が18度以上なら心血管疾患などのリスクが低くなるとし、高断熱住宅に住むよう勧告している。同時に感染症を予防するため住まいの過密対策を講じることも強く勧告している。低断熱。低気密・換気不足の住環境を改善するべきだ」などと語った。

このテーマを巡って上原裕之健康・省エネ住宅を推進する国民会議理事長、近本智行立命館大学教授、山田秀和近畿大学教授らが意見交換した。