建築の紹介 徳岡設計インタビュー
―自己紹介と役割について教えてください。
藤城 徳岡設計取締役副社長の藤城義丈 です。今回はプロポーザルで選定され、 智頭町の新図書館設計に取り組むことに なりました。
中島 徳岡設計の中島慎一です。意匠担当としてプロジェクトに携わることになりました。私自身は図書館の設計が初めてだったのでみなさんにいろいろと教えてもらいなから取り組んできました。
―設計プロポ―ザルに応募したきっかけを教えてください。
中島 図書館設計に取り組みたいと思っ ているなかでこのプロポーザルの情報を 見つけました。要項にはワークショップ をやることが条件として書かれてあり、地域や住民と関わりながら設計を進めることにも関心があったためこのプロポーザルへの参加を決めました。
藤城 私自身は、これまでもさまぎまなワークショップに参画させていただき、住民のみなさんが関わったことによってまちが変化していくような図書館づくりも経験してきました。そういう意味では、ワークショップをやることにまったく違和感はありませんでした。
―町民のみなさんとのコミュニケーションで気をつけていたことはありますか?
藤城 私たちは、自分たちのやりたいことを言うのではなく、何を求められているのかを恰い出したい、と思っていました。町民のみなさんがどう使いたいのか を引き出せるように気をつけていました。
中島 こちらからは、こういう使い方をしてください、といったような話はしませんでした。同じ図書館づくりをしている仲問として参加していました。
藤城 スケジュールが厳しいなかワークショップの運営についてにargさん が担当してくれたので私たちは設計に専念することができました。なので、みなさんの意見を設計でかたちにしていくことに集中できたことも、いいコミュニケーションにつながったと思います。
―建築家として町民のみなさんに見てほしいこだわりのポイントはどこでしょうか?
藤城 まずは智頭杉の使い方。空間全体を支配する要素として架構や家具に使用しています。そういう意味で智頭にしかできない空間をつくれたと思っています。また、日常的な利用のなかで来館者の気分が変わるような空間にしたいと思っていました。開館の日に、訪れたみなさんからそういう声がたくさん聞けてよかったです。
中島 やはり一般図書コーナーが肝なので、そこをしっかりとつくるために構造としてどう支えるかということを考えました。シンプルで使いやすい書架ができたと思います。
―町民のみなさんへメッセージをお願いします。
中島 どんどん使ってください!一人ひとりの「こうしたい」とか「ああしたい」といったことが図書館を通して実現していく、そういう姿を見ていきたいです。図書館によってまちが変わっていき、よりよいものになっていくのを楽しみにしています。
藤城 ワークショップに参加していない人や図書館を利用したことがない人も、ぜひ一度図書館に来ていただきたいと思います。図書館にはみなさんを迎えてくれる人々、司書さんたち、まちの人々がいます。そこにきっと自分の居場所が見つかるはずです。まずは図書館を訪れてみてください!利用者がどんどん広がっていくことで図書館は進化していくと思います。
建設に携わった方からメッセージ
新型コロナウイルス感染拡大や全国的な資材不足により工期を延長するなど心配なこともありましたが、屋根トラスを智頭杉で組むなど智頭町にあったように工事を進めていくことができました。施工でいろいろとたいへんなこともありましたが、こういう建物ができて憩いの場としてみなさんに利用してもらえると嬉しいです。
山根英久さん(株式会社ジューケン)、芦屋義人さん(株式会社原田建設)