港消防署田中出張所

コンセプト

大阪の都心部からベイエリアに向かう玄関口に位置するこの消防署は、個性的な都市施設群と連続しながら、背後の既存住居地区のスケールとも調和し共存する役割を担っています。この喧騒と静けさが対峙する周辺環境に消防署の動と静を対応させています。先端技術で安心を支える情報通信室、緊急時の動きを示す階段室、２方向に開かれた消防車庫、新しい防災拠点を通りに発信する機能的な執務スペース、体育訓練室などを内包したコンクリートの力強い素材感を持つ主要ボリュームが、土木的スケールの高架道路と対峙して構成されて います。一方、生活道路の側には職員のリラクゼーションを図るため開放された屋上テラスを持つ休養室が配されています。無国籍な新しい街並みにどこか日本的なものが感じられるよう、モノトーンを基調とし、消防に求められる力強さとスピード感を表現しました。