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作 品 名針中野の家
所 在 地 大阪市東住吉区
施 工 (株)徳岡工務店
建築要素ナラの生地仕上・デザインガラス・スリット
掲 載 誌hiroba 1992.1

コンセプト

初めて訪れた敷地は境界南際まで中層マンションが建ち、輝きを失っていました。計画は統一された材料で囲う中庭により自己完結的に環境構成する事から始められました。限られた空間を曖昧に仕切る壁は、ガレージの車を隠すと同時に空間に奥行と連続性を強調し、壁泉や金属の飾りが楽しさを演出します。場所に輝きを取り戻す為、空間はそのまま外部に連続し、外周には植樹帯、特に角地は広く視覚的に解放しました。木部をナラの生地仕上で統一した内部は閉鎖性を回避する事に重点をおきました。居間・食堂は分断可能な一体空間であり、台所、玄関ホールとデザインガラスで間仕切られ、かつ連続します。そして、外壁のスリットと共に本来外部を拒絶する面は奥行を持ち昼夜風景を演出します。住宅とその敷地は都市のブラックホールでなく、アメニティを形成する為の最も大切な要素でありたいという思いを元に設計に務めました。